兄弟それぞれの足跡、そして絆
兄のトニはバルセロナの南西にあるファルセット村の醸造学校および醸造学の権威である名門タラゴナ大学醸造学部を卒業し、プリオラートやモンサンなどカタルーニャ近辺の複数の銘醸ワイナリーで醸造家としての経験を積んで来ました。また母校タラゴナ大学にて教鞭を執り、優秀な醸造家を輩出させてきた大家でもあります。
現在は醸造業に専念し、主にカタルーニャ地方の大小ワイナリー約15社のコンサルティングおよび自社ワイナリーにおいて醸造を行っています。
トニの造るワインは非常に高い評価を得て、現在ではカタルーニャ地方において屈指の醸造家のひとりに数えられています。
一方、弟のミケルは当初シェフを目指して調理師学校で学び、さらに観光学を専攻して語学とマーケティングを修得しました。世界一予約が取りづらい伝説のミシュラン三ツ星レストラン(現在は閉店)やホテル内高級レストラン等でシェフとしての研鑽を積んでいましたが、兄トニの醸造家としての成功を間近で見るにつれ、ワインの世界に興味を持つように。
やがて兄の仕事周りを手伝うようになったところ、想像以上に楽しくなり、2000年ワインマーケティング会社を個人で開業。以降トニの造るワインのほか、テラ・アルタやリアス・バイシャスなどの小さな家族経営ワイナリーの販売業務を手掛けてきました。
そして兄弟が自分達の名前を冠したワインを世に送り出すことを決意したのは2006年。それまでも家族代々所有する畑でブドウ栽培は行っていましたが、全てバルク売りに出していました。方向転換し、トニが栽培・醸造したワインをミケルがマーケティング・販売するようになります。こうして誇りと情熱を閉じ込めた「自分達のワイン」としてリリースし、現在に至ります。